2015年07月03日

日本のROCK史に残る公演で働かせていただきました。    〜Part2〜

<今日は長いですが、笑える舞台裏話です>
 

僕の人生年表に太文字で刻まれた、

PERSONZ30周年記念、24年ぶりの日本武道館公演での裏方記録 part2。
  

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記念手ぬぐいね、あれバックステージでの手間ひまもそうですが、今治製の高級手ぬぐいで良質のモノなんですよ~、という前置きで。

昨年、お店の完成とお月さまの試作品を見に貢さんとJILLさんがPolarStaへお越しくださった時に、

お店で取り扱わせていただいている今治の手ぬぐいタオルを見て、

目をキラキラとされながら、全部買いをしてくださった貢さん。
 

その時に貢さんのタオルへの情熱を聞かせていただきました。

以前のグッズタオルも今治製でしたよね。
 

「この生地のジャケットがあったら、絶対それ着て演奏する」って、
どこまでがボケなのか関西人の僕が躊躇してしまう一幕も。
 

「これってオリジナルの柄で出来るのかなぁ?」この時から話はスタート!
 

最低ロット数、価格、制作納期、ラッピング仕様、

全部を今治のメーカーさんと交渉し確認を取って、貢さんへお伝えしてから・・の沈黙の半年間。(笑)


ちょっと気になって貢さんに確認。
 

「塊さんに全部お任せしようと思います」<素の貢さん>
 

僕:「ん・・・ぇっえ~!?って、今何月?」

5月の出来事です。。
 

後々、貢さんから演奏のトレーニングや演目の打ち合わせ、アルバム制作以外の細かな決め事(例えば、LIVE当日のスタッフさんの弁当の個数まで)をお聞きした時、

屋台骨としての仕事量、ハートの強さには脱帽いたしました。

もう、それを知っちゃぁ、やっちゃいますよ、僕。
 

って事で、団塊Jr.魂で貢さんの手足となって痒く無いところまでポリポリ手が届く仕事をするぞ!と、

僕は25%陶芸、25%店のオーナー業、50%手ぬぐい。ぐらいのバランスで(ハイ、ココおかしいですね)今治のメーカーさん、制作工場さん、僕ひとりでは無理なので、親友でデザイナーの松ちゃん、貢さん、(間にはエイベックスさん)、の四つ巴の真ん中で、どっかのキーボードみたいにアクロバットに両手左右で携帯抱えて話しーの、デザイン確認しーの、しまいには電話口で「貢しゃん、」って噛んだりもしーの、

スケジュール確認しーの、工場さん急かしーの、担当者としょっちゅう電話しーの(最後は電話受付の方に覚えられました。)

家でも居酒屋でも、自分の出店会場でも。。
 

真面目な話、たった2日間のロスがあった時点で、この手ぬぐいは武道館で目にする事が出来なかったかもしれません。
 

メーカーさんは大口の注文だったので、何を決めるのにもとにかく慎重。

慎重すぎて話聞いてるうちにイラッとしかける場面もあり、

最後は男・冨金原塊、「何かあって間に合わなかった時、仕上がりに何かあった時はメーカーさんに責任を追求しません、全て私が被ります」という誓約書を自ら提案して書いて送りました。(何かトラブってたら、僕は今頃家族に別れを告げてマグロ漁船に乗ってます、海上で演歌歌ってます)
 

そこまで言って、やっとこさメーカーさんも本気モード。

こんな大口の仕事、メーカーさんも嬉しいと思いますでしょ?

ギリギリの値段だから、全然そんな事なくって、値段の交渉も苦労しました。

ラッピングに社名入れるから安く~とかまで考えて交渉したんですけどね。

最後までPERSONZの名前は伏せて仕事しました。

あちらも、データ入稿して初めてパーソンズって、あの!?って知ったのではないでしょうか?

(コレ、見てたりして。。笑)
 

僕のアイデアと落書き程度のラフスケッチに肉付け、更なるアイデアをくれたのは昔、同じ釜の飯を食った仲の松ちゃん。

彼は「男前豆腐」さんのパッケージデザインや、京都の野外フェス「京都大作戦」のロッキンなT-シャツのデザインも手がけてる強者なので、安心してサポートお願いしました。

彼とのやり取り、段取りで3日間あまり寝ずに動きました。
 

デザインが決まってからも、タオル地だけに再現不可な部分(例えばPERSONZのロゴの後ろにある細い線)は泣く泣くベタ塗りにしたり、色も抜いた方が確実に滲まない部分はマグロ漁船乗りたく無いので、安全策とったりしました。
 

「発色の確認なんてとってもらう余裕ないですしね」とメーカーさんに釘刺されてたのに、サラッと1セット色見本を送ってきてくれて、やるじゃん!って思ったのですが、
赤の色が気に入らなくて変更お願いしたら、濃い赤のベタ塗りは◯◯円高くなります。と。そんなの、聞いてなーいと思いつつも、

何とか話はまとまって、貢さんとの確認合戦です。
 

僕は玉を1個投げて1個返ってくれば良いですが、貢さんは方々から何十個の玉をキャッチし、返してらっしゃった時期だったと思います。

そんな1個の内容を任せていただいた僕でさえも、貢さんと何回電話で手ぬぐいの話をした事か。。

正直、色んな事があり過ぎて大変だったでしょうに、

いつも穏やかに「あ、塊さんどーも~お疲れさまです」って感じです。

器の大きさを感じましたよ、ホント。
 

実は、ご希望だった予算(色数)、和柄&紅白のセットの組み方、

大きく変更してまでやりたかった色数、獅子が向かい合ったデザインにしました。

ここは勝手な作り手魂でやった事なので、「差額は僕が被ります!」

って言ったものの、「そんなのコチラで払いますよ、その代わり・・」
 

「その代わり・・?」
 

「なんとかラッピングをお願いしたいんですけど」
 

「・・900セット・?・、ま、任せてください!」

ホンマかいな、自分!?(笑)
 

そうなんです、今治のメーカーさん、工場出荷の直前で力尽きはりまして、

ラッピングの提案は全て「ぁ~ぁ、ちょっとぉ、それは~」でお断りされてたんです。お金払うとか、そんなんでも無理でした。
 

ははぁーん、困った時の友達作戦やな。

まず、一緒に武道館へ行くRenへ「ブーツ・オン・ザ・グラウンド!」

石川県の秋友さんへ「ショー・ザ・フラッグ!」

少し引きつってた気もしましたけど、快諾。
 

無関係な友達まで巻き込んで、春のラッピングDAYを開催。

ポイント3倍です。袋詰め放題です。

急ぎ仕上げてもらったフライヤーで2枚の手ぬぐいを巻いて袋に積めて封。

フライヤーも袋も用意しました。
 

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途中「ちょっと向きが違うって~!」
「ちゃんと封出来てないって~!」と鬼軍曹役をしていたのですが、
 

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「アンタも手動かしや」のひと言で、
「そうだ、僕は鬼軍曹なんかじゃない!」

と、作業の流れに入りました。
 

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人海戦術って凄いですね。友達って偉大ですね。

1800枚<900セット>が一日で出来ました。
 

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ラスト、数を読むのに合わなかったり、集荷に来たヤマトさんが「全部、車に乗らない」と言ったりとドタバタ劇は続きましたが、

段ボールを見送った時には達成感が。。
 

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「塊さん達はプレミアムシートだから、手ぬぐい貰うんだ~」と笑ってらっしゃった貢さん。

「そこ、確かにウケますね・・」

会場でね、封を開けて首に巻いてらっしゃるファンの方や、

両手でステージに向かって掲げてる方、

ステージ直前のJILLさんのセットをされてる美容師さんの首に巻かれた手ぬぐい、

全~部、嬉しかったです。
 

僕の親友が言ってました「本当の喜びや感動、達成感や成長は、極限やストレスの近くにあるのかもね」

PERSONZにも当てはまるんじゃないかな?
 

ある意味、月のオブジェよりも胃がイタタタっ~って感じで進めてきた事でしたが、

筋金入りのROCKバンドのスタッフとして働けた自分に新たな自信が持てました。

あれだけ大変だったのに、今は次何やりましょ?って感じですしね。(笑)


色々、変更ありましたけど、

貢さんが「結果、こうなって良かったよね」と完成形のデザインを見て言ってくださりました。


月の納品に東京まで行った時、

貢さんとJILLさんの方から握手を求めてくださったんですよね、、

なんか、嬉しくてね。

涙ですよ。


中学生の頃にCDウォークマンで聴いてた頃までグルングルン思い出して、

運転して帰ったなぁ~


どんだけ近づいても、お二人はPERSONZだし、僕はファンなんですよね。

関係者ぶって大人しく観てるより、客席から腕を挙げる方が楽しいしね。


そんな血と汗と涙でカタチになった手ぬぐいです。

血も汗も涙も手ぬぐいで拭いちゃってください!


僕は額装するけど。。


~制作覚え書き~

当初デザイン案では、同一デザインで紅白の色違いでしたが、阿吽の獅子に。

4色以内で収める予定でしたが、

赤獅子<赤、紺、黄>、白獅子<赤、黒、黄>の合計6色に。

冠のTopはクロスの予定でしたが、松ちゃんのアイデアで武道館の屋根にある擬宝珠に。


~制作ご協力~

かなり無理言ったのに、僕だけの手柄にしようとまでしてくれた男前、

京マグの松ちゃん

~包装ご協力~

月のオブジェ、手ぬぐいと20代ながらガッツリ団塊Jr.に絡まれてる、

Ren

PtoPでチケット取ってくれたり、武道館まで運転してくれたり、手ぬぐい包みに石川から来てくれたり、ハートのある男です、

秋友さん


迷う事無く「行くで」と言って滋賀から来てくれた心友。

僕のART WORKの作業進行もずっと見守ってくれてました、

咲楽さん


滋賀から交通費払って手伝ってくれて、最後お別れする時「ありがとうございました」と言ったしーちゃん。この人の良さが全てを語ってます。

こっちが「ありがとう!」やって。

しーちゃん


娘がウロウロする中、

一緒に900セット数えてくれ、経費的な部分も目をつむってくれた最強のパートナー、僕の嫁ちゃん。


PERSONZ、ファンの皆さまに心より感謝申し上げます。


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