2008年06月20日

宣告

ここ数日、本当に疲れました。

体調が回復傾向にあった水季が突然嘔吐を繰り返し、食も水も全く受けつけない状態になってしまいました。

急いで病院へ行って、とりあえず怪しいと診察された胃腸炎の対策に薬の入った点滴をいれました。

この時点で、すごい違和感を感じていた僕。
食事を口から取れなくなった動物に無理に注射で栄養を送るのって・・

大型犬なので、20分も点滴に時間を要し。。
家に帰って絶食状態のあと、少量のご飯と薬を与えましたが全く受けつけず。。

少しの水を飲んだ後、すぐに水分まで嘔吐。




再度、病院へ連れて行き数ヶ月前にとったレントゲンをもう一度とってみる事に。



ありました・・
胃のまわりにかげが。。


それが原因なのか、何なのかお腹を開けてみないとわからない状態で。
全身麻酔すらリスクが大きい老犬の水季なのですが、僕の中で又その日も点滴を打って連れて帰るという選択はありませんでした。


先生が夜に緊急手術をしてくださるとの事。
全部お任せして、入院させる事になりました。


ひとりで帰る帰り道。
帰った家に水季が居ない。

明後日で9才になるのですが、9年間で初めての事です。

自分の判断に間違いが無かったのかグルグル考えながら、目の前の仕事をしてました。
納品にも行ってきました。


夜、家で連絡を待ちました。

予定よりも早い時間で電話がなりました。
申し上げにくいのですが・・の切り出され方に覚悟を決めた僕。

肝臓、脾臓に癌が転移していて胃の出口を癌が塞いでる状態と丁寧に説明を受けました。

そのまま閉じてもらいました。


今後も入院生活と点滴が必要になる延命措置を選択される人もおられるでしょう。
それが正しいのかもしれないし、僕にはわからないです。

ただ水季の声に耳をかたむけると、
家に帰りたい と。
僕と一緒にいたい と。
病院は嫌や と。


昨日の夜の時点では、
もし胃に直接チューブを通して栄養送らなければ生きれない、
点滴を毎日受けなければ生きれない、
口から食事が取れないのなら、

痛い苦しい思いをさせたくないのもあって、安楽死も考えてました。

世話してくれたり可愛がってくれた友達皆に連絡しておきました。
電話で相談もしました。

水季は僕の所有物じゃなくて、みんなの命。水季の命。

普段はイケイケドンドンな僕もすごく悩みました。
自分が親代わりなんだけど、水季が望む選択はどれかと。

人間以外の動物は自殺もしないし、最後まで生きようとします。
さっき話した点滴が不自然なら、安楽死も不自然なわけで。

なんで、もっと早く言ってくれへんのよ~
散歩も行ってさぁ
ご飯も食べてさぁ

頻繁にしていた尿検査や血液検査、数ヶ月前のレントゲンでも見つからなかったとハッキリ言われたので、その辺で後悔はないのですが、

あぁしてやれば良かったとか、粗相をして怒ったりもしたけど実は病気のせいもあったのかもしれない。
怒らなければよかったと、申し訳ない気持と会いたい気持でいっぱいになりました。

水季がいない仕事場はなんとも空虚です。
あらためて存在感を感じました。




今朝一番に面会に行ってきました。
麻酔と点滴で意識がもうろうとする中、僕が近寄るとググッと動いて喜んでくれました。
昨日からそんな様子を見せた事はなかったと仰ってました。

いつも水季に使ってるバンダナを置いてきました。

可能性や選択肢についても先生の話をしっかりと聞いて、水季と話しました。
いつもよりも荒い息でグッタリしてましたが、言ってる事はわかりました。

家に帰りたいと。



胃の出口を塞いでるので、水すら吐いてしまう状態なので流動食も期待できないのですが、
「口からの」流動食を与えて様子をみる事にしました。

やっぱり全部吐いてしまうなら、脱水症状で衰弱していき短い間で死んでしまう。
流動食がうまく流れても、肝臓に転移してる癌を考えると余命一ヶ月とのこと。


昨日悶々と考えてた事が水季の顔を見て明確になりました。

もうお腹の中をゴチャゴチャいじるのはやめとこう。
衰弱していくのはしんどいかもしれんけど、仕事しながらずっと傍にいるから。
3日間でも一ヶ月でも、一緒にこの家で生活しよう。


これから期間もわからない介護生活が始まります。

明日、弘法さんの帰りに迎えに行ってきます。

すごく苦しむようなら安楽死も考えてる弱い自分ですが、水季への愛情は誰よりも持ってるつもりなので、わかってくれると信じてます。



「ペットを飼う」
すごく軽い表現で、実際に軽く扱われた子がドンドン不幸になってます。
生き物相手に「ノリ」も「流行」もありません。

可愛いだけじゃありません。

こういう記事を読んで、考え直してくれる人がいればと思います。

ある意味、命を預かること。
時に命の選択をせまられること。

それはとてつもなく重いことで、何を選択しても後悔が残ると思います。

そんな時に楽しかったな と言えるパートナーでいれるか。。

今まで実家では2頭の子の最後を経験していますが、比べ物にならない感覚です。
胸が粉々に砕けそう。
子犬の時から9年間ずっと一緒でした。

寿命が短いとはいっても、時間的な事で言うと
小学校3年生になったばかりの子が助からない親の気持と同じでしょう。
短い。

昨日は納品先へ向う車内でいっぱい泣きました。
謝りたい事、伝えたい感謝がいっぱいで。


今日も夕方会ってきます。
明日は弘法さんなので、友達が午前の面会に行ってくれます。
友達は大泣き。

僕は水季が心配するし、笑って面会。
帰ろ~なぁ!


数日と短い時間かもしれませんが、いっぱい話して一緒に寝て過ごそうと思います。
会いに来てくれるって言ってる友達もいるんやで。

がんばろ。








体調を崩した時の記事にメールをくださった方などにも報告しておきたかったので、
文にしました。








kai

at 14:26│
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